
PHARMACY STAFF調剤薬局スタッフとは

調剤薬局スタッフとは、調剤薬局で処方箋の受付やレセプトコンピューターの入力、医薬品の在庫管理・発注などを通じて、薬剤師の業務をサポートします。
無資格・未経験から始めることができ、転職や復職にも強いことから、医療事務と並んで人気のある職業です。
調剤薬局スタッフは、レセプトコンピューターの入力や医薬品の発注などのデスクワークも行いますが、それだけではありません。受付や会計を担当したり、納品された薬の検品や入庫をしたり、必要な薬を棚から取り出したりと立ち仕事が多いのが特長です。
患者さんを待たせないよう効率よく仕事をこなすことも大事ですが、入力ミスなどによる医療上の算定不備はあってはならないことです。
処方箋の入力や薬の管理には特に慎重さと正確さが求められます。未経験の場合、専門用語や薬の販売名、成分名など覚えることが多く、慣れるまで苦労するかもしれません。
調剤薬局スタッフの主な仕事内容は、次の6つとなります。調剤薬局スタッフの仕事内容1つ目は、患者さんの受付や電話対応で、受付では患者さんへの対応を行います。来局した患者さんから処方箋や保険証、お薬手帳を受け取ります。
このとき、保健証の情報を確認したり、処方箋の有効期限を確認したりします。薬局には電話での問い合わせもあるなど、対面だけの対応に限りません。薬局の顔として、明るくハキハキとした対応が求められます。
調剤薬局スタッフの仕事内容2つ目は、レセプトコンピューターへの入力業務で、レセプト(調剤報酬明細書)を作成するために、レセプトコンピューターへ処方箋の内容を入力します。同じ薬でもさまざまな規格があるため、正確に入力することが必要となります。
調剤薬局スタッフの仕事内容3つ目は、調剤報酬の請求で、患者さんは保険証を提示することで、薬の費用負担を1~3割に抑えられます。一方、残りの費用を負担するのは、保険証を交付する健康保険組合や市区町村などです。調剤薬局スタッフは、作成したレセプト(調剤報酬明細書)を基に、健康保険組合などに残りの費用を請求します。
レセプト(調剤報酬明細書)の作成には、保険や調剤報酬についての専門的な知識が必要となります。
調剤薬局スタッフの仕事内容4つ目は、会計業務で、薬代の患者負担額を計算し、患者さんへ請求する業務です。受付でお金を受け取り、領収書を発行します。
薬代はレセプトコンピューターへの入力時に自動計算されるため、作業としてはそこまで難しくはありません。ここでは、現金の受け渡しミスに気を付ける必要があります。
調剤薬局スタッフの仕事内容5つ目は、薬剤師のサポートで、場合によっては、薬剤師の仕事を補助することもあります。
例えば、患者さんへ薬を宅配したり、薬剤師の指導のもとで薬の調剤の補助を行ったりするケースもあります。薬局は医薬品を扱う場所なので、清潔感を保つことも必要となります。そのため、倉庫の片付けや局内の清掃を任されることもあります。調剤薬局スタッフの仕事内容6つ目は、医薬品の発注・点検・入庫で、消費した医薬品を発注するのも、調剤薬局スタッフの仕事となります。頻度は少なく、対応することは稀です。
届いた医薬品は注文した内容と合致しているかを点検したうえで、最終的に薬品庫などへ入庫します。また、送られてきた伝票の整理も行わなければなりません。発注状況によっては、1日に何度も納品や点検、入庫作業を行うこともあります。

調剤薬局スタッフの仕事は特別な資格がなくても就職することができ、必須ではありません。しかし、資格取得することで高い倍率を突破して採用してもらえる可能性が高まります。未経験の場合でも、ほかの応募者との差別化を図ることができます。調剤薬局スタッフに関連する資格として、調剤事務管理士、医療保険調剤報酬事務士、調剤事務実務士、調剤報酬請求事務専門士があります。
調剤薬局スタッフの勤務先ですが、同じ調剤薬局でも、大手薬局か個人薬局かによって働き方に次のような違いがあります。多店舗展開している大手薬局の場合、研修や業務マニュアルが整っているため、未経験でも仕事を覚えやすいでしょう。総合病院の門前薬局など多忙な店舗が多いですが、生産性を高めるためにIT化にも積極的に取り組んでいます。
福利厚生が充実しており、近隣の店舗同士でスタッフを融通できるので休みも取りやすいですが、裏を返せばほかの店舗に応援に行かなくてはならない日もあります。
また、通勤可能な範囲で異動を命じられる可能性もあります。店舗数が1~2店舗程度の個人薬局の場合、スタッフの入れ替わりが少なく、患者さんには顔なじみの方も多いため、落ち着いた雰囲気の中で仕事ができるでしょう。
基本的に異動もないため、1つの場所でじっくり仕事を覚えたい、人間関係を築きたいという方に向いています。ただし、スタッフ数が限られているため、希望通りに休みが取りにくいこともあります。
調剤薬局スタッフの仕事を目指す場合、調剤報酬や保険などの専門知識を身に付けることばかり重視しがちですが、知識があるだけではこの仕事に向いているとは言えません。
調剤薬局スタッフに必要な主なスキルは、次の2つとなります。調剤薬局スタッフに必要なスキル1つ目は、明るい人柄とコミュニケーション能力で、調剤薬局スタッフは、事務作業を中心に行う仕事ですが、受付や会計で患者さんと接することも多く、接客業の一面も兼ね備えています。
特に受付業務は、調剤薬局の顔として患者さんを出迎える仕事となります。受付の人が暗いと調剤薬局全体の雰囲気が暗くなってしまうため、明るい人柄であることが求められます。
また、患者さんに対してわかりやすい言葉で接したり、薬剤師や病院と連携して仕事をする必要があります。そのため、コミュニケーション能力が高い人が向いていると思います。
調剤薬局スタッフに必要なスキル2つ目は、コンピュータースキルやレセプト(調剤報酬明細書)作成の実務能力で、調剤薬局スタッフではレセプト(調剤報酬明細書)の作成を行うため、コンピュータースキルが必要です。
会計業務でも入力作業が多く発生するため、スピーディーに業務を進めることが求められます。パソコンの基本的な使い方や入力方法は、しっかり身に付いていることが望ましいです。あまりパソコンを使ったことがなく、タイピングに不慣れな人は練習しておくと良いでしょう。コンピュータースキルに関する資格を取得するのもお薦めです。
同じ医療機関に勤務する事務職として共通点の多い調剤薬局スタッフと医療事務ですが、主に保険請求の業務に違いがあります。
調剤薬局スタッフも医療事務も、レセプトコンピューターを使って保険請求を行います。医療事務の場合、入力項目が多いうえに算定ルールも複雑ですが、調剤薬局スタッフの場合は、基本的に処方箋の内容に従って薬の種類や量などを入力する作業が基本となります。
ただし、特定疾病や自立支援などの算定・請求業務や自賠責に関わる業務など、専門的な知識が求められることもあります。さらに、調剤薬局スタッフの場合は、薬に関する知識も必要です。薬剤師のように多くの薬に精通する必要はありませんが、少なくとも勤務先で扱う薬に関する基本的な知識を身に付ける必要があります。
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