
PEDIATRIC CLERK小児クラークとは

小児クラークは、病棟クラークの中でも、小児患者さんに特化した仕事を行っていきます。小児クラークの仕事内容は、医療行為に直接関与しない病院内の雑務や事務で、医師や看護師、患者さんのサポートがメインとなります。
小児クラークの仕事内容を具体的に説明すると、診察待ちをしている患者さんにアンケート風の簡単な問診を行う、薬や器具の片付け、カルテや書類の整理、診療精算などとなります。医療資格のあるスタッフを手伝いながら、患者さんである子どもたちの面倒を見るという、保育士のような事務スタッフが小児クラークのイメージとなります。
小児クラークの仕事をするのに必要な資格はありません。医療機関というと資格がなければ働けないようなイメージが一般的にありますが、小児クラークなら憧れの医療機関で働くことができます。
しかし、医療機関で必要となる事務や基礎的な医療知識、または子どもの病気や心理について、少しでも多く学んでおくことが採用への近道となります。
資格の勉強は独学でも可能ですが、実務を実践的かつ効率的に身に付けるには、小児クラークの勉強ができる専門学校へ通うことが理想的です。
そもそも医療機関という場所は、患者さんにとっては、楽しい場所ではありません。なぜなら、心や身体に何らかの不調があるため訪れている場所だからです。
大人でも、不安な気持ちや落ち着かない心持ちで過ごしているものです。こうした気持ちに寄り添い、少しでも気持ちよく病院をあとにしてもらうことが、医療機関で仕事をする人が目指すところだと思います。
これが、子どもであればなおさらのことです。子どもは、「病院=お医者さん」そのものに恐怖を感じていたりすることもあると思います。
ですから、小児クラークを目指せる人・向いている人というのは、第一に「患者さんたちの気持ちを理解して共感し寄り添える人」だと思います。
また、「誰かの役に立つ仕事がしたい」と思っている人も、小児クラークに向いているのではないでしょうか。
小児は、1人きりで診療を受けに来ることはありません。小児患者さんのケアをすることは、そこに付きそう保護者をケアすることにもなります。さらには、患者さんや保護者など付き添いの方の不安な気持ちを少しでも和らげて、受診に専念してもらうことで、医療スタッフは医療業務に専念することができます。

小児クラークに向いている人として挙げた2つは、「こんな気持ちを持つ人」という側面から考えてみましたが、それだけでは不十分な部分があります。もちろん、他にも必要とされるものがあります。
すでに説明しましたとおり、小児クラークの仕事には、事務的な側面もありますので、医療機関で事務として仕事をする以上、事務処理能力や医療事務の基本的な知識も必要となります。小児クラークについては、看護師の補助的な役割を持つ仕事ですから、医療や医学・看護の知識はもちろん必要になってきます。
小児患者さんがケアの対象になるわけですから、保育の理論や小児特有の医学知識、小児の精神的・身体的な発達の知識もあれば、さらに自信をもって仕事に取り組めると思います。小児クラークのような医療機関での仕事に就きたい人は、基礎となる知識やスキルに加えて、専門的な勉強を進めていくことになります。
小児クラークを含むクラーク職に就くために必要な資格はありません。医療機関の求人募集に応募して、採用されれば仕事を始めることができます。
しかし、まったくの無資格で応募しても合格することは難しいでしょう。少しでも有利な形で面接に挑むためには、次の2つの資格を取得しておくと良いと思われます。
小児クラークで取得しておくべき資格1つ目は、医療秘書技能検定で、医療事務に関する技能や基本的な医療知識について、能力を証明する資格です。難度によって、1級、準1級、2級、3級と4段階にグレードが分かれています。
医療機関によっては、この資格保有を採用条件としている場合もあるので、取得しておくことをお薦めします。小児クラークで取得しておくべき資格2つ目は、医事コンピュータ技能検定で、医療事務には、診療報酬請求やレセプトの作成、レセプト点検などを「医事コンピュータソフト」で入力する業務があります。
その業務に必要となる知識や技能について、能力を証明する検定となります。医事コンピュータソフトを扱えることは就職の際に強みとなりますので、この資格を取得しておくと良いと思われます。
クラークと名の付く職業については、基本的にどれも業務に大きな差はありません。しかし、小児の名称が付いている小児クラークについては、接する患者さんが小さな子どもたちになります。
クラーク職は医療機関で働く人たちの中で、直接的な診療以外で患者さんと接することが多く、患者さんにとって「身近な存在」です。大人の患者さんでも入院中や通院中は不安な気持ちになるのですから、子どもたちはなおさら不安な気持ちになると思います。
そんな子どもたちに寄り添い、サポートする小児クラークという仕事は、子ども好きの人にとってやりがいの大きいものだと思います。
特に、保育関係と医療関係の両方に興味がある人にとっては、同時に両方の分野に携わることのできる職業だと言えます。子どもたちに慕われ、雇用も安定した仕事のため、小児クラークはたいへん魅力的だと思います。
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