
CHILD INSTRUCTOR児童指導員とは

児童指導員とは、さまざまな事情から児童福祉施設に通所、もしくは入所する子どもたちの健全な育成を支援する職業です。例えば、発達障害や知的障害などの障がいがあり、児童発達支援や放課後などデイサービスに通所する子どもたちに対しては、将来的な自立や社会参加のために必要な療育を行っていきます。
虐待やネグレクトなどによって児童養護施設に入所し、保護者と離れて暮らさなければならない子どもたちに対しては、その代わりとなって生活指導を行います。
なお、児童指導員として5年間働くと、講習を受けることで児童発達支援管理責任者の資格が取得できます。
児童指導員の配置基準ですが、放課後などデイサービスや児童発達支援では、児童指導員または保育士の配置が義務づけられています。配置基準は、子どもの人数によって変わり、1人以上は常勤であることと、営業時間を通じて配置(定員を超過した場合の追加の基準人員については、サービス提供時間を通じて配置)が必要となります。
常勤とは、事業所での勤務時間が、「事業所で定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していること」を指し、正規・非正規雇用に関わらず適用されます。
児童指導員の配置基準は、子どもが1人から10人で2人以上を配置、子どもが11人から15人で3人以上を配置、子どもが16人から20人で4人以上を配置となります。
児童指導員と保育士の違いですが、児童指導員も保育士もともに児童福祉に関わる資格であり、業務内容や勤務可能な施設が似ています。
児童指導員が働ける施設は、乳児院・児童養護施設・福祉型障害児入所施設・医療型障害児入所施設・福祉型児童発達支援センター・児童心理治療施設となります。
保育士が働ける施設は、保育所・乳児院・児童養護施設・福祉型障害児入所施設・医療型障害児入所施設・福祉型児童発達支援センター・児童心理治療施設・母子生活支援施設・児童厚生施設・児童自立支援施設となります。
このように、保育士のほうが就職先の選択肢が多く、児童指導員が働ける施設であれば保育士も働くことができます。
児童指導員は、任用資格となります。任用資格とは、特定の要件を満たした方がその職務に就くことで名乗ることができる資格で、試験などはありません。
児童指導員の要件には、「養成施設・大学を卒業」「実務経験」「教員免許や国家資格を保有」の3つがあります。それぞれ、いずれかに該当する必要があります。
養成施設・大学を卒業については、地方厚生局長などの指定する児童福祉施設の職員を養成する学校その他の養成施設を卒業した方、大学や大学院で社会福祉学、心理学、教育学もしくは社会学を専修する学科またはこれらに相当する課程を修めて卒業した方、外国の大学で社会福祉学、心理学、教育学もしくは社会学を専修する学科またはこれらに相当する課程を修めて卒業した方のいずれかに該当する必要があります。実務経験については、3年以上児童福祉事業に従事した方、高等学校などを卒業し、2年以上児童福祉事業に従事した方のいずれかに該当する必要があります。
教員免許や国家資格を保有については、小学校・中学校・高等学校の教員免許を持つ方、社会福祉士の資格を持つ方、精神保健福祉士の資格を持つ方のいずれかに該当する必要があります。

児童指導員の仕事内容は勤務先によって異なりますが、子どもたちの自立と社会参加を見据えて必要な支援を行うという点では同じとなります。
障害児通所施設の場合は、児発管が作成した個別支援計画に基づいて療育を実施し、支援記録に残します。また、保護者や関係機関と連携を取りながら、直接支援を行う立場から個別支援計画の作成を手伝ったりします。
主な仕事内容としては、個別支援計画に基づく療育の実施、個別支援計画の作成補助、学習の補助、関係機関との連携、支援記録の作成、保護者対応、送迎などとなります。
障害児入所施設の場合は、身の回りの世話が中心となりますが、通所施設と同じく療育を実施し、将来的な自立や社会参加を目指します。
主な仕事内容としては、身の回りの世話(重症心身障害の場合は、身体介護を含む)、個別支援計画に基づく療育の実施、個別支援計画の作成補助、学習の補助、関係機関との連携、支援記録の作成、保護者対応などとなります。
児童養護施設の場合は、保護者の代わりとなって身の回りの世話や生活指導・学習指導をしつつ、将来的な自立に向けて必要な支援を行います。
虐待や死別などつらい経験をしている子どもが多いため、必要に応じた心理的ケアも必要となります。
主な仕事内容としては、身の回りの世話、生活指導・学習指導、進学支援・就労支援、必要に応じた心理的ケア、自立支援計画の立案、関係機関との連携、早期退所に向けた調整(保護者との面談など)などとなります。
児童指導員が働いている場所について、事業ごとに特長を説明します。
児童発達支援は、障害のある未就学の子どもに対し、年齢に応じた遊びを通じて表現力や感性を養い、子どものできることを広げる支援を行います。重い障害のある子どもに対して居宅訪問型児童発達支援を行う場合は、満18歳までが対象となります。
子どもの発達状況や特性に応じて、音楽療法や運動療法を取り入れるなどの取り組みを行っている事業所などもあり、事業所の方針や理念によってさまざまな支援が提供されています。
放課後などデイサービスは、放課後や学校休業日に、障害のある小学生・中学生・高校生に対して、生活する技術・技能の向上や地域交流の機会提供などの支援を行います。
保護者が就労している時間帯に子どもの安全な居場所を確保する一面があるのが特長となります。保護者や関係機関との連携を図りながら、成人期の生活を念頭に置いた段階的かつ長期的な支援を進めるなどの事例もみられます。
障害児入所施設は、心身に障害がある0歳から18歳の子どもが入所する施設で、日常生活の指導や知識・技能の教育を行います。継続的支援が必要と判断した場合には、満20歳に達するまで利用期間の延長も可能となります。
知的障害や聴力・視力に障害のある子どもが主に入所する福祉型障害児入所施設と、医療的ケアが必要な子どもが入所する医療型障害児入所施設に分かれています。
保護者による養育が難しいために入所するケースが全体の約3割ですが、虐待からの保護を目的とした児童相談所経由での措置入所も一定数存在するのが特長です。1日単位の契約で利用できるショートステイを提供する施設もあります。
乳児院・児童養護施設は、保護者がいない子どもや、家庭の事情で養護が必要な子どもが入所する施設となります。乳児院は0歳児・1歳児が、児童養護施設は2歳から18歳までの子どもが入所対象となります。家庭に近い環境で、生活習慣の確立や学習指導、自立への手助けを行います。
子どもと寝起きをともにしながら成長に合わせた支援を行うため、保護者代わりとしての一面もみられます。入所の経緯を踏まえて、信頼関係を基盤とした心理的なケアが重要視される傾向です。
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