CARE WORKER介護福祉士とは

介護福祉士とは、「社会福祉士および介護福祉士法」によって定められた、介護分野で唯一の国家資格です。国家試験に合格して介護福祉士の資格登録をした人しか、介護福祉士を名乗ることはできません。
福祉系の国家資格である、社会福祉士・精神保健福祉士とともに3福祉士と呼ばれており、介護職の中で、中核的な役割を担っています。
介護福祉士は、現場で働く介護職としては最上位にあたる資格となります。介護の入門資格である「介護職員初任者研修」から上位資格である「介護福祉士実務者研修」を経て、介護の仕事をしながら「介護福祉士」を目指すというキャリアパスが確立されています。
介護福祉士の資格を取得すると、介護について十分な知識や技術、経験が備わった人材とみなされ、介護を必要とする方にとって適切な介護サービスを提供するだけでなく、介護職員の指導や育成も行えるようになります。
一度取得すれば更新の必要がないため、全国で通用する一生モノの資格と言えると思います。介護職でキャリアアップを目指す方、介護職員として自信を持ちたい方、さらに介護の知識や技術を磨きたい方には、ぜひ目指してもらいたい資格となっています。
介護福祉士と似たような呼称に、「介護士」があります。介護福祉士と介護士の違いですが、実際に介護士という名称の資格はありません。一般に介護士は、介護職員や介護スタッフと同様に、介護事業所で介護業務を行っている人を指す場合に用いられますが、介護従事者を総称する表現としては、介護職が適切となります。
よって、介護職の中に、介護福祉士国家試験に合格した「介護福祉士」が含まれているということになります。
介護福祉士は、介護が必要な方の日常生活を、幅広くサポートする役割を担います。ここでは、介護福祉士が介護サービスの現場でどのような役割を果たしているのか、主な6つの役割を説明します。
介護福祉士の役割1つ目は、身体介護で、身体介護は身体に直接触れる介護を指します。食事、排せつ、入浴、移動、外出時のサポートなどのことで、これらを自分一人で行うのが困難な方に対して、身体能力や病気の状態に合わせた介助を行います。
一方的に介助するだけでなく、声をかけたり見守ったりして、できるだけご利用者が自分で行えるようにサポートすることも、介護福祉士の役割です。やる気やできることを奪わないように配慮しつつ、自立に向けた手助けを行います。
介護福祉士の役割2つ目は、生活援助で、訪問介護などでは、ご利用者の身体に触れない「生活援助」も行います。ただし、ご家族の衣類の洗濯などは対応外です。
また、ご利用者の日常生活をサポートすることが目的なので、草むしり、ペットの世話、大掃除や窓ふきといった作業は含みません。
介護福祉士の役割3つ目は、レクリエーションで、介護サービスの種類によってさまざまですが、レクリエーションには、簡単な工作、歌や体操、季節ごとのイベント行事などがあります。
レクリエーションの主な目的は、単調になりがちな介護生活の中で、楽しんで身体を動かしてもらう機会を増やすこと。身体機能の衰えを食い止めたり、ご利用者間の交流を深めたり、会話を通して笑顔になったりと、心理面でも良い結果が期待できます。
介護福祉士の役割4つ目は、社会活動支援で、体力が低下し行動範囲が狭くなると、社会を遠く感じてしまうこともあります。そうなると、外出頻度も減って閉じこもってしまうことが増えるため、老化が進行したり、認知症が急激に進行したりする恐れもあります。
社会の一員として穏やかに生活できるように支援するのも、介護福祉士の役割の1つとなります。
介護福祉士の役割5つ目は、相談・助言で、ご自身やご家族に介護が必要になったとき、何をどうすればいいのか戸惑ってしまう方も多いでしょう。介護福祉士は、ご利用者とご家族からの相談にも対応しています。
介護福祉士の役割6つ目は、マネジメントで、介護はチームで行います。皆がバラバラのやり方では、良いサポートはできません。介護者同士の連携がとれるように、介護福祉士は現場のリーダーとして、他の介護スタッフへアドバイスや教育を行い、ご利用者に適した介護を目指していきます。

介護福祉士の資格を取得するメリットは、次の4つとなります。介護福祉士の資格を取得するメリット1つ目は、介護福祉士国家試験に合格するには、多岐にわたる分野を学んで理解する必要があるため、受験勉強を通じて介護の高度な技術や知識を身に付けられます。
介護福祉士の資格を取得するメリット2つ目は、介護職員として「身体介護」や「生活援助」などの介護業務に加えて、介護福祉士は、介護の現場でリーダー的なポジションを任されることもあります。
また、訪問介護事業所における「サービス提供責任者」など、法律で介護福祉士資格取得者に認められている業務を行うこともできます。
介護福祉士の資格を取得するメリット3つ目は、介護事業者によっては、介護福祉士資格取得者に対して、資格手当などが支給される場合があります。
また、現場でリーダーや管理職に登用されれば、職位に応じた役職手当が支給されることもあります。
介護福祉士の資格を取得するメリット4つ目は、介護福祉士資格取得者は、メリット1と2で説明したとおり、自身が介護職員として介護サービスを行うだけでなく、管理的な業務を任されることがあります。
採用後、すぐに職場の即戦力として活躍できると期待されることから、就職・転職の際も、介護福祉士の資格を取得していることで、有利になります。
介護福祉士が勤務する主な介護サービス事業所・施設としては、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)、介護老人保健施設、介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)、訪問介護(ホームヘルプサービス)、デイサービス(通所介護)があります。
介護福祉士は、介護分野では唯一の国家資格であり、誰でも簡単に取得できる資格とは言えません。それだけに、介護福祉士資格を取得していることは、介護業務について高度な専門性を持っていることの証となります。
高齢化が進む日本では、介護分野の人材に対する需要が、今後も増え続けるとみられています。とりわけ、介護サービスの現場で即戦力として活躍できる介護福祉士の存在意義は大きく、期待されるところも大きいと思われます。
介護福祉士資格を取得すれば、対応できる業務の範囲が大きく広がります。仕事の幅が広がれば、自分自身のスキルアップになるだけでなく、待遇面や昇格などで有利に働くことがあるかもしれません。
また、別の介護事業者に転職する場合も、介護福祉士の国家資格があれば、よりスムーズに転職活動を進められるでしょう。介護のお仕事を長く続けようと考えるならば、ぜひ介護福祉士資格の取得をお薦めします。

  • みなさんに必要なことは
    1歩踏み出す決断力!