
CARE MANAGERケアマネージャーとは

ケアマネージャーとは、介護サービスを必要とする方にケアプランを作成し、各機関との連絡・調整を行う専門職のことです。いわば、介護保険のスペシャリストとも言えます。要介護者や要支援者の方が自立した生活を送るためにサポートする、専門的知識・技術が必要となります。
介護保険制度上では、「介護支援専門員」が正式名称ですが、ケアマネージャーと表記することもあります。
また、ケアマネージャーとは、要介護・要支援認定を受けた方のケアマネジメントを行う介護支援のスペシャリストです。介護を必要とする方ができる限り自立した生活を送ることができるように、適切なサービスを受けるためのサポートを行うのが、ケアマネージャーの役割です。
ケアマネージャーは、居宅介護支援事業所に配属して、要介護1以上の方の介護支援を行う居宅ケアマネージャーと、老人ホームなどの施設に所属する施設ケアマネージャーがいます。所属する場所によって働き方は異なりますが、ケアマネージャーとして行う業務の内容は大きく変わりません。
ケアマネージャーの仕事内容は、次の3つとなります。
ケアマネージャーの仕事内容1つ目は、ケアマネジメントで、ケアマネジメント業務は、ケアマネージャーのメインの仕事です。介護サービスを必要とする方に、適切な介護が提供されるようサポートする業務となります。ケアマネジメントは、次の7ステップで実施します。
ステップ1のインテークは、介護サービス利用検討者やその家族と行う初回面談のことです。利用者さんの身体状況や環境の把握をするためにヒアリングを行います。
また、ケアマネージャーと利用者さん、その家族との信頼関係を構築する場とも言えるでしょう。初めて介護サービスを利用する方は不安や緊張を抱えている方も多いので、相談しやすい環境づくりが大切となります。
ステップ2のアセスメントは、利用者さんの生活で抱える課題をヒアリングし、明確にすることです。インテーク後に利用者さんの自宅に訪問し、自立した生活に必要なサービスを見極める目的があります。
アセスメントは客観的な視点で行う必要があるため、厚生労働省が定める「課題分析標準項目」に沿ってヒアリングを行います。
ステップ3のケアプランとは、インテークやアセスメントで明らかになった課題を解決するため、提供する介護サービスの詳細をまとめた計画書です。要介護者の方にはケアプラン、要支援者は介護予防ケアプランに分かれます。
ケアプランには、サービスの種類、サービス内容、利用回数、利用時間、利用料金などを記載します。作成したケアプランの原案は利用者さんとご家族に説明し、希望に沿っているか確認する必要があります。
ステップ4のサービス担当会議の開催は、ケアプランの原案をもとに、利用者さん・家族同席のうえ、ケアマネージャー・医師・介護職員・リハビリスタッフ・サービス提供責任者・福祉用具専門員・栄養指導員などの専門家たちを集めて会議を行います。サービス担当会議は、ケアプランの変更・更新のタイミングで実施し、ケアプランの内容・方向性を決定します。利用者さんの身体状況に最適なケアプランかどうかを見極める重要な会議となります。
ステップ5のケアプラン原案の修正は、ケアプランは利用者さん自身が望む生活を送ることが大切なため、利用者さんを含むすべての方が自立支援に関して共通の意識を持っていなければなりません。
そのため、サービス担当者会議で不都合や新たな課題が発生した場合は、ケアプランの修正を行います。
ステップ6のケアプランの交付では、利用者さんに最適なケアプランが完成すれば、実際に介護サービスが開始されます。ステップ7のモニタリングは、実行された介護サービスが適切かどうかや、ケアプランの目標達成度を評価する段階です。利用者さんの心身の変化や生活状況を確認し、利用者さんやご家族、各専門家にヒアリングを実施します。
モニタリングは、ケアプランの問題点や課題を見つけだすために必要な作業です。ヒアリングした結果をもとに、利用者さんの身体状況にあったケアプランを決定し、必要に応じて修正を加えます。
ケアマネージャーの仕事内容2つ目は、介護保険の給付管理で、介護保険の給付管理は、介護サービス提供事業者がサービスに対する報酬を受け取るために必要な業務です。ケアマネージャーは、国民健康保険団体連合会に提出する「給付管理票」と呼ばれる書類作成を行います。
ケアマネージャーの仕事内容3つ目は、要介護認定で、介護保険制度を利用して介護や支援を受ける場合、要介護認定の申請が必要となります。
利用者さんやその家族は手続きに慣れていないため、代行として要介護認定の申請を行うことがあります。また、自治体から要介護認定調査の依頼を受けることも多いです。

ケアマネージャーが活躍できる場所としては、居宅介護支援事業所、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、地域包括支援センターなどがあります。
ケアマネージャーの必要性ですが、少子高齢化の深刻化により、ケアマネージャーの人材ニーズは拡大しています。さらに、2018年の介護保険法の改正により、受験資格が厳格化されました。
その影響もあり、ケアマネージャーの人材不足が加速してきています。
また、2021年3月に改定された介護保険法で、居宅介護支援事業所の管理者は「原則、主任ケアマネージャーであること」となっています。
2027年3月まで猶予期間はあるものの、主任ケアマネージャーに変更しなければなりません。これを考えると、より質の高いケアマネージャーが求められています。
ケアマネージャーの将来性ですが、ケアマネージャーの需要は増しているので、将来性があると言えます。しかし、需要がある一方で、ケアマネージャーの高齢化も懸念されています。公益財団法人介護労働安定センターの介護労働実態調査によると、ケアマネージャーの平均年齢は53歳です。
45歳から60歳未満の年齢層が特に多く、20代後半から30代の若いケアマネージャーが足りていない状況となります。また、AIの台頭により、「仕事を奪われるのではないか」と不安視している意見もあります。
ケアマネージャーは高齢者に寄り添い、コミュニケーションを取りながらマネジメントする必要があるため、AIに仕事を奪われることはないと思われます。
ケアマネージャーの人材不足が続けば給与が上がり、勤務条件が良くなる可能性も期待できるため、将来性のある仕事と言えます。
- みなさんに必要なことは
1歩踏み出す決断力!